新 選組!!土方歳三 最期の一日
メイキング&ビジュアル完全ガイドブック
 

SPECIAL INTERVIEW 土方歳三役 山本耕史
【 お守り】
 続編をやるにあたって、心の支えはと聞かれたら、やっぱり、近藤勇の香取慎吾からの メールです。大事なメールが2つあるんですけど、ひとつは大河ドラマが終わってすぐ後にもらったメール。香取君からの初めてのメールだったんです。ショートメールだったから何 通も一度に来たんだけど、最後に、「お前がいたからここまでこれた、ありが とう、愛しき友よ 香取慎吾」って。もう、これ読んだら泣けますよ…こんなことを書いてくれるなんてって、すごくうれしかった。この全部の ショートメール、一個一個写真に撮って、ここにのせたいくらい!もう、すごいメールですよ。
 あと、もうひとつは、続編の収録が始まる前にもらったメールです。香 取君は、「僕は光の向こうでとしを待ってるんです」って言っていたんですね。そしてきたメールには、

光道の先へ進み切れ  勇


 もうね…、なんともいえないですよ。
 収録が始まる前は、すごく現場が楽しみだったんです。大河の時に、勇は死んで終わったけど、土方は残されてまだ戦っているというところで終わりましたか ら。続編で早くまっとうしたいというのもあったし、1年間、熱くいられたあの現場にまた戻れる、皆に会えるという気持ちもあったし。でも、実際、始まって しまうと、とにかくさびしくて。近くにいた勇はいなくて、土方が新選組をひとり先頭に立って背負っていくことになって、大河の時と状況がまったく変わって いるんですよね。収録のゴールが見え始めるころになると、もう、さびしいとか、辛いとかもない。皆に会いたいとかもないんです。もうそういうすべての欲求 を超えてしまった感じ。ただ、最後を待つのみ。もう、普通の感覚ではなかったんです。そんな状況だったから、最後のシーンを撮って、クランクアップした時 は、ああ、死んでしまったって、落ち込む感じではなくて、爽快さがありましたね。もう、やり切った、というね。それまで、土方は死なない、何しても絶対死 なないって思いがあったんだけど、自分で最期のシーンのチェックモニターを見てて、あ、やっぱり、死ぬんだな、土方もひとりの人間なんだって。そして、ひ とつの時代が終わったんだなって思いました。あの瞬間は、やさしく自分を見守りたい気分でした。そして、最期の時、自分はどんな気持ちになるんだろうって 思ったんですけど、なんか、気持ちが笑顔というか、穏やかなほうにいったんですよね。勇が迎えにくるっていうか、歩いてたら、道でばったり勇に会って、あ れ、今帰り?そう、じゃ、一緒にちょっと行こうか、っていう感じ。改まって、お疲れさま!とかではなくて、なんか自然にもとの2人に戻るというか。そんな 思いをかんじたから、最後は笑顔になれたんだなって思います。


【「新選組!」を好きになった皆さんへ】
 大河のキャスティングの時に、土方歳三に僕をっていってくれたのは三谷さんですからね。声をかけてくれたのは、すごくうれし かった。いつ もの耕史君でいいからって言ってくれたことも。三谷さんは本当に大きい人。“大きい人”って、簡単に言いたくないんだけどね。信頼しつつ、反発もしつつ、 本音のところでやっていける。三谷さんはいつも真正面で勝負してる。すごく男らしい人だと思っています。
「新選組!」で出会っ た香取君は、 もう、ちょっと本当の友だち、くらいになりましたね。それって、近藤と土方として1年間やってこられたからこそ、そうなれたところがあるんだけど、香取君 がもってなかったものを僕がもってて、僕がもってなかったものを香取君がもってる、お互い尊敬できるところがあったのもよかったんです。ちょうど中和され るというか。連絡がないから疎遠になった、とかではないんですよ。僕がちょっとそういうことを話したら、香取君から、僕と山本さんは、連絡しないと友達で いられないような普通の間柄じゃないじゃないですかって怒られた(笑)。僕は結構、友だちが多くていつも皆をひっぱっていくほうなんですけど、唯一、自分 の弱いところを見せられるのが、香取君ですからね。SMAPのコンサートも2回、行ってしまった。香取君から、芸能人で2回も来たの、僕だけだって言われ た(笑)。テレビに出ている香取君を見てても、コンサートをやってる香取君を見てても、全部、自分中心にやってくれてると思っちゃう。ファンと同じ状態。 一言で言うと、愛してますよ(笑)。
 あと、「新選組!」を好きになってくれた方々へ。ありがとう、というよりも、僕たちも「新選組!」を同じように楽しんでいたので、気持ちは皆さんと同じ です!「新選組!」を好きっていう人は、本当に「新選組!」のよさに気づいてくれてて、愛をもってくれているのがわかる。今って、愛をもってるといって も、見せかけのパッションだったり、まやかしだったりが多いんだけど、「新選組!」のよさに気づくことができた人は、まやかしには惑わされない人。ふだ ん、動かしづらいような心の奥底にある筋肉を動かせた、誰にでもできることではないことができた、そんな自分をぜひ感じてほしいです。



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