山 本耕史のちょっと休憩しませんか!
 
■第23回ゲスト■ 木村 拓哉
この華麗なツーショットを見ていると、あの「華麗なる一族」の音楽が聞こえてきませんか――今月の「山本耕史 のちょっと休憩しませんか!」ではホスト山本が演じる万俵銀平の兄で、主演・鉄平役の木村拓哉さんとの顔合わせが実現しました。ドラマのほうは鉄平にさら なる衝撃的な出来事がおこるなど目が離せない展開になっているところですが、現場はこのほど無事クランクアップ!撮影裏話や、鉄平・銀平の兄弟役を超えた 2人でいる時の不思議な「居心地」などについて、じっくりたっぷり拡大版でお届けします。
 
山 本
木村さん、 2日前に「華麗なる一族」クランクアップされまして、とりあえず、お疲れさまでした!
木 村
お疲れ様で した!俺の最後の撮りは一人で北海 道の雪山だったんだけど、耕史、花束渡しにわざわ ざ来てくれたんだよね。もう、びっくりしたよ!こやつ…おぬしは、もう…っていう感じだよ(笑)。「一人で終わらせるわけにはいきません よ」っていきなり現れてさ!
山 本
俺は木村さ んよりも少し前いクランクアップして、その時に「打ち上げで会えるといいですね」ってメールしたんですよね。
木 村
そうだよ。 なのに、いきなり北海道まで!もう、耕史、すべての行動とか会話とかメールの内容にチョイひねりが入っているよね(笑)。後になって、「ああ…!」って思 わせるやつ。マジックと一緒(笑)。
山 本
(笑)。 迷ったんですよ。打ち上げの前に木村さんのクランクアップに駆けつけますってメールしようか。でもそれしたら、木村さんだったらギャグには受け取らないか なって。
木 村
来 るって聞いてたら止めてたよ、確実に。一日を大切にしろって(笑)。
山 本
でしょう (笑)。でも、結構前から、俺は行かなくちゃって思ってたんですよ、自腹でも!で、花束渡す最後の最後まで絶対秘密にしたかったから、あの日も木村さんの 前まで行くのにスタッフジャンパーで顔隠してた(笑)。
木 村
俺の撮影が 全部撮りきって花束をもらえそうな時に、ジャイさん(監督)が持ってなかったから、「あれ、最後はひとりで雪山にいるうえ、花束なし?悲しいー」と思った んだよね。そうしたら、手足の長い人が向こうからやって来て…「ダレッ」って(笑)。
山 本
行った会が ありました(笑)。
木 村
うれしかっ たです(笑)。でも耕史、帰りの飛行機、俺よ便が遅かったんだよね。俺はもらうものだけもらって飛行機の時間があるからお先にっ…て。俺のほうが早く帰っ てるしさ(笑)。
山 本
木 村さんと一緒に帰りたかったんですけど便が取れなかったんです(笑)。
木 村
ほんと に!?も 、一日を大切にしろ(笑)。
山 本
(笑)。で もどうでしたか?「華麗なる一族」の撮影は。最後のほう、台本十冊ぜんぶ鞄の中に入ってましたよね。
木 村
そうだね。 撮りが終わってそれが鞄からなくなった時、軽い軽い(笑)。
山 本
ですよね (笑)。木村さんが撮影入ったのっていつでしたっけ。
木 村
去年の10 月初めだね。その直前、うち (SMAP)が夏にライブやってた時、耕史が東京ドームに来てくれたんだよね。その時、「(ドラマ)よろしくね」って握手して、確か耕史が 「大変ですよね。難しいですよね」って言ったんだよ。その前フリで俺はプレッシャーを感じるようになった(笑)。それまでもすごい原作のドラマ化でプレッ シャーを感じてはいたんだけど、耕史のあの言葉で、これは大変だぞってもう一度背中を押された気がしたんだ。「新選組!」もそうだけど、これまで耕史の やっていることを見てて、あれだけ台本を読んで二十年も三十年も生きてる人間が「難しいですよね」って言ってるということは…って思ったんだよ。例えば、 日本食の世界でその道を極めた人間が「(食材の)このむき方、難しいですよね」って言うのと同じ感じ。ああ、これは相当考えなきゃだめだなって思ったの。 しかも俺は他の方より後から撮影に入ったから、できあがりつつある雰囲気に慣れて自分がうまく鉄平としてまわり始めるまでが大変だった。
山 本
俺とかは8 月から入っていたから木村さんが来るまでお2ヵ月あったんだけど、やっぱり木村さんが来てから現場の雰囲気がいい意味でガラッっと変わったのを感じたんで すよ。
木 村
共演者がそ れこそ役者を極めているような方たちばかりだから、それぞれの居方が決まってたし、平塚の撮影所も独特の雰囲気だったもんね。でも俺は結構、楽屋を使わな い派で外に出てて、一番最初に自然 と一緒にいられた存在が耕史だったんだよね。スケジュールの紙を見て、俺の出番の時に銀平のところにもマルがついていると「ああ、よしよしよし」って (笑)。
山 本
(笑)。最 初に現場で会った時、木村さん、「全然セリフ覚えてねえよ」って言ってたんですけど、完璧、覚えてるじゃんってことがあってね(笑)。でも見てて思ったの が、木村さんって、本当、セリフが体の中に入っているような芝居をされるなって。俺、セリフを覚えて言っていますという人ってすぐ分かっちゃうんですけ ど、木村さんも結構そういうところに気付いてそうで、だから俺、見抜かれたらやばいっていつもビクビクしてた。最終的には見抜かれましたけど(笑)。
木 村
そんなこと ないけど(笑)、人間ウォッチングは趣味ですからね。でも、俺、見てるようで見てないかも。「見る」だと一点しか見えないじゃない。
山 本
ああ、そっ か、視野を広くして、かつ深く見てるってことか。だから、木村さん、いろいろな人のモノマネも出来るんですよね。香取(慎吾)君のマネもうまいし(笑)。まる で香取君が話しているみたいに(笑)。相当、人の空気感ををとらえるのに長けた人だなって思いましたよ。一緒に仕事する前からそれは感じて いましたけど…でも、今回、木村さんとは初めて仕事する感じじゃなかったな。
木 村
これまで一 緒の現場はなかったけど、撮影場所が隣だったりしたことはあったもんね。俺も耕史のこと、似たような時間を似たような 場所で過ごしている人だって思ってたんだ。お互い、やるべきことをやってきて、濃い一日だったり密な一年を過ごしてきてると思うんだよ。そんなところで も、他人なんだけど、他人じゃない気がしてた。「山本耕史」って間違いなくかけるし(笑)。
山 本
そう、木村 さんくらいですよ(笑)。
木 村
メールで 「こうじ」って入れても一発で変換しないんだよね(笑)。
山 本
そう (笑)。だから、何年も付き合っている人でも間違えて「耕二」とかで送ってきて、悲しい思いをすることがあるんです(笑)。
木 村
文字は、ま ず、「耕す」をだして「歴史」出して。で、「す」と「歴」を消さなきゃいけない(笑)。耕史とは事務所も違うし年も違うし、やってきた仕事の内容も違うけど、お互いのプロ フィールを並べたときに、本当、似たような時間を過ごしている人だと思うのね。慎吾の共演者でもあり(草g)剛の共演者でもあり、慎吾が現 場でやたらとカードを触ってたり、何かものを消してみたり、アニメのキャラクターをサラサラって描いてたりするのは耕史の影響かと気付きもしたんだけど (笑)、自分の中で勝手なんですけど、耕史は耕史というか。この感覚、皆に分かるかなぁ。
山 本
俺と木村さん、前世で何かあるのかな(笑)。
木 村
美輪さんか 江原さーん!(笑)
山 本
言い方が変かもしれないけど、俺の中でも皆が 思っているような木村さんじゃない木村さんがいたというか、そんな近しい気持ちを木村さんに持ってたというか。不思議なんだよなぁ。
木 村
今 度、陶芸とフィッシング、一緒に行こうというプランを立てています(笑)。
山 本
木村さん、 陶芸もうまくて…、というか、もう何でも出来そう(笑)。俺が16歳くらいの時、共演したジャニーズの子から「山本さんは木村さんと同じくらいギターがう まい」って言われた事があるんですよ。俺はその時、自分はギターの技では誰にも負けない、天才的だと思ってたから…。
木 村
ははははは (笑)。
山 本
俺 よりうまいやつはいない!くらいに思っていたから、その一言にかなり刺激されたんです(笑)。その子に「これ、木村さん、弾ける?」って演奏してみせて 「多分、弾けます」って言われて「チクショー」とか思ってた(笑)。でも、今だと、例えば木村さんが知らないようなマジックのネ タとかあったらすぐ教えてあげたいと思っちゃうんです(笑)。木村さんだったらよりエンターテイメントにやってくれそうな気がして。それが普通の人にだっ たら俺、究極のネタは教えませんよ、もったいないから(笑)。こういうところ、俺、器が小さいんですけど(笑)。
木 村
でも俺もそ の気持ちは本当にわかる(笑)。たとえばフィッシングに行っても、確実に釣れるという場所には連れて行くんだけど、そこでどこのポイントが一番かというの はめったな人には教えたくない自分がいる(笑)。
山 本
ああ、分か る、分かるなー、それ(笑)。でもそんな木村さんにも苦手なものってあるんですか?
木 村
あるよ。マ ラソン。ありえない。苦手どころじゃない(笑)。俺は短距離タイプです(笑)。あと、パクチ(香菜)も苦手。
山 本
え、 パクチだめなんですか。俺、大好き(笑)。
木 村
う わぁ、出たぁ。男でパクチ大好きな人、パクチ大好き野郎(笑)。タイ料理もいけるけど、俺、パクチはよける(笑)。で、耕史の話に戻ると(笑)、こいつって、最後まで順位がつけられない相手 だったなって。マジックのテクニックがハンパじゃなかったり、ギターがめちゃくちゃうまかったり…、というか、存在として…、何だろう、俺も一番を目指し たいけど、何か確実に自分が二番で、その二番が自分の中でオッケー、そういさせてくれる存在。オス同士が同じ場所に存在した時って、やっぱりどうしても 「順位」って発生してくるものだと思うんだけど、耕史はそれが必要じゃない人…って、別に俺が男が好きとか耕史のことが好きとかそっち方向の話じゃないん だけどさ(笑)。
山 本
俺 は若干(笑)。
木村
で た(笑)。あのね、この話を耕史がメールしてきた時も、こいつ、うまいの!自分の気持ちをつづって、最後にハートマークつけて…で、一瞬メールがそこで終 わってるかのように見せてるんだけど、まだ下にカーソルが動く。そしたらかなり間を置いたところで…
山本
「う そです、汗マーク」って(笑)。まぁ、俺はぶっちゃけ、木村さんという人がはっきり言って好きなんですけど(笑)、シャレになってないとひかれたらそれは やばいなって思ってハートマークのあとに、「うそです」って一応フォローいれたの(笑)。でも俺、三谷(幸喜)さんとか、香取君から言われてたんです、 「山本さんと木村さんは似てるから仲良くなるるか仲良くならないかどっちかだ」って。それに対して俺は絶対仲良くなれるって言い切ってたんです、変な確信 があって。だから今回、兄弟役だったけど、敵役でもよかった。でも、兄弟だから、そのまんま慕えた部分もあった。銀平をやるにあたって、俺の中でもこうやろうってプランがあったんですよ、一応。で も木村さんと対峙すると自分のプランがいい方向にどんどん変わっていくんですよ。木村さんが提案してくれるアイデアもよく分かるもので、実際そのように やってみると銀平の人間性がより浮き出るようになったり。木村さんと芝居してて楽しかったし、現場ではこういうことが必要、こういう事をやっていかなく ちゃいけないんだって、いろいろ実感しました。
木村
お互い、い い機会だったよね。普通ないような共演者の顔合わせがあって、現場のつくりもすごくて。全てにおいて、スケールが大きいことだらけだったから、その「すごい」現場にいるためのチューニングは本 当、大変だった。なかなかチューニングが合わなくて、チューニングしっぱなしの中、一番初めにピタッと合ったのが耕史だった。
山本
芝 居の中で、演じる者同士の関係性があるからこそ見せられる、その人たちだからこそ見せられるものがある、それがお芝居の最上級だと思っているから、たとえ ば今回、俺と木村さんが演じることでしか出せないものを見せられたとしたら、鉄平と銀平として木村さんに出会えて本当によかったなと思う。銀平をやる上 で、木村さんみたいな人が「兄」でいてくれて本当にうれしい、やっててよかったなと失礼かもしれないんですけど、僕は思ってるんです。
木村
今 のコメント、掲載ででっかくお願いします (笑)。実はさ、今、こうやって2人で話しているところを写真に撮られて、テープも回され、皆に聞かれているっていう状況、すごく変な感じなんだよ。さっ きも言ったけど、耕史とは全くもって完全なる他人なんだけど、なんか、うーん、身内みたいな近すぎる人といるのを皆に見られている感覚で、こうやって公に されているのを変に感じるくらい耕史はなんか近い存在であろうなと思う。こういう人とはそんなにめぐり会わないけど、会ったらその価値は、でかいです。
山 本
う れしいです…!
木村
こ うとも言える。耕史は俺にとって、「役」が必要じゃない人。
山本
俺 にとっても木村さんはそう。ふだんも勝手にお兄ちゃんのように感じてたのかもしれない。俺の前に立って俺をひっぱっていってくれるお兄ちゃんという感じ。 何なんだろう、この感覚は。
木村
やっぱ、前世で何かあったのかな (笑)。ま、それは置いといて(笑)、「華麗〜」の現場は終わったけど、これからだから、いろいろと。
山本
今後、木村 さんの出るドラマに、俺エキストラでもいいですから出たいです(笑)。木村さんの“靴”役でもいい(笑)。

今月の 「ちょっと休憩し終わって…」
俺はプロフェッショナルの人は大好きだから木村さ んのことも会う前から好きになるんじゃないかと思っていたんですが、会ってみたら人間性も豊かで想像を超えた人だった。今回の対談に来てくれたこともそう だけど愛を持って接してくれる人なんです。木村さんはドラマの収録が終わっても自分にとって素晴らしい「兄さん」であることは変わりません。そう思えるよ うな、大好きな人です。これからも近くで木村さんを見ていられるような関係でいられたら、幸せです。









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